この記事では、すでに集中治療認証看護師(ICRN)を取得している筆者の経験をもとに、試験の概要と対策を解説します。
1.集中治療認証看護師(ICRN/ICRN-K)の基本情報と受験要件
集中治療認証看護師(ICRN / ICRN-K)制度とは?
日本集中治療医学会による、重症患者に対する標準的な看護能力を評価・証明する制度です。集中治療看護の「質の標準化」と、感染症流行や災害時など「非常事態における看護人材の確保」を目的としています。
能力と勤務状況に応じて以下の2種類の認証があります。
① 集中治療認証看護師(ICRN)
:現在ICU等に勤務しており、重症患者への標準的な看護「実践」と「知識」を有することを証明する資格。
② 集中治療認証看護師-知識認証(ICRN-K)
:過去にICU等での経験があるが、現在は一般病棟等に勤務しており、重症患者看護の標準的な「知識」を有することを証明する資格。一般病棟での看護の質向上や、急変・非常事態時のICUサポートが期待されます。
これらは別々の制度ではなく要件が異なるだけの共通の仕組みです。そのため、異動や更新時の状況に合わせて ICRN ⇔ ICRN-K への相互移行が可能 です。
受験要件と申請の流れ
ICRNを受験するためには、主に以下の3つの要件を満たす必要があります。
- 臨床経験:特定集中治療室管理料などを算定する治療室で、気管挿管・人工呼吸管理および観血的動脈ライン管理を要する重症患者看護を常勤通算3年以上経験していること。
- 学習歴:過去5年以内に学会指定の研修(ICU・CCU看護セミナー中級編など)を修了していること。
- 看護師免許:日本国の看護師免許を有すること(※学会員でなくても受験可能)。
臨床経験の証明には職場同僚2名の確認が必要となるなど、申請手続きにはいくつかの準備が必要です。
ちなみに私は所属長とプリセプターをしてくださっていた先輩の2名の名前をお借りしました。
臨床経験は前年度末までに通算3年以上必要なため、申請時や受験時までではないことに注意が必要です。
集中治療医学会学術集会で、今後ICRNを増やすため今後受験要件や受験様式のハードルを下げる方針であると明言していたため、受験資格を要さない方も今後の動向に期待できるかもしれません。
また、ICUセミナー(中級)の受講が必須ですが、毎年ICRNの受験申請の後にICUセミナーが開催されるため、来年度以降受験を希望される方は早めにICUセミナーの受講をすることをお勧めします。
申請書類のダウンロードや最新の要件、審査費用等の詳細については、必ず日本集中治療医学会 公式ホームページ(ICRN制度特設ページ)をご確認ください。
2.ICRN試験の出題範囲と難易度の特徴
主な出題領域(呼吸・循環・代謝など)
- 呼吸・循環・代謝アセスメント(人工呼吸器管理、循環作動薬の投与管理、水電解質・酸塩基平衡など)
- 脳神経・鎮静鎮痛ケア(PICS対策、コンフォートケア、早期離床など)
- 感染管理・スキンケア(MDRPU対策、カテーテル関連感染予防など)
- 看護倫理・急変対応
臨床でのアセスメント力が問われる試験傾向
単なる言葉の暗記ではなく、「この病態のときに、どのような生理学的変化が起きていて、看護師として何を優先して観察・介入すべきか」という、臨床現場に即したアセスメント能力が問われます。
※出題範囲の詳細な分析や、領域ごとの重点的な攻略ポイントについては、別記事で詳しく深掘りして解説する予定です!
3.おすすめ参考書
ICRN試験対策の軸となるのは、やはり日本集中治療医学会が発刊している公式テキストや最新のガイドライン(ARDS診療ガイドライン、J-PADガイドライン等)です。試験問題の根拠となるため、一読は必須といえます。
過去問
出題傾向を掴むためにも、まずは過去問へのチャレンジが不可欠です。
過去問題および解答は、〔日本集中治療医学会 集中治療認証看護師 過去問題集〕から直接ご確認いただけます。
ガイドライン
ICRNのFAQにて
根拠とする文献は、本学会が公開している診療ガイドラインとします
と明言されており、ガイドラインの熟読は必須です。
ガイドラインに関しては〔日本集中治療医学会 ガイドライン・指針等〕にまとめられているため、確認してください。
公式テキスト
集中治療看護師のための臨床実践テキスト 療養状況と看護編
時間がない場合、過去問と照らし合わせながら、出題された問題を答えるうえで必要な知識が記載されている図や表を中心に理解を進めていくとよいでしょう。
特にリハビリテーションや人工呼吸器のグラフィックなどは主にこのテキストから出題されている印象です。
集中治療看護師のための臨床実践テキスト 疾患・病態編
時間がない場合、頻出の疾患・病態の章に絞って学習することをお勧めします。
集中治療医学
ICRNのFAQで「集中治療医学」が掲載されていますが、試験範囲ではありませんとも明言されています。個人的にも必須ではないと考えています。
優先すべきは過去問と周辺知識の習得。そしてその周辺知識は上記2つのテキストと後述するガイドラインで十分だと思います。
興味があれば読んでみてください。
4.【10月試験】ケアルック編集長が実践した直前学習法
ケアルック編集長は直前1週間前から学習を始めました。
前提の知識は人それぞれですが、編集長の直前学習法を紹介します。
①過去問
過去問を1問解いたら、その周辺知識をガイドライン・公式テキストから探し熟読。
いつでも読めるように付箋などで分かるようにしておく。
編集長はガイドラインやスキャンしたテキストをスクショで切り取り、スマホで何度も読み返していました。
②文献を何度も熟読
①で一度は熟読している内容を空き時間に何度も何度も繰り返し熟読。
本当は①で触れなかったガイドラインやテキストの内容にも目を通したかったのですが、時間がなく断念しました。
まとめ:ICRNへの挑戦でICU看護の視点(Look)が変わる
ICRNの学習を進めるプロセスそのものが、日々の臨床におけるアセスメントの深さや、患者さんへの看護の質を大きく高めてくれます。
私自身自施設での学習プログラムにはない疾患や病態への知識や、これまで疎かにしていた感染管理や倫理問題への知識について触れることで、日々の実践における視点や学習範囲の拡大につながりました。
このサイト「ケアルック」では、今後もICRN対策に役立つポイントや専門知識をわかりやすく発信していきます。
一緒に学びを深め、合格を目指して頑張りましょう!

